池井戸潤 『鉄の骨』


友人に池井戸氏の本がおもしろいと紹介を受けて読んでみました(紹介されたのは別の作品(
『空飛ぶタイヤ』
)でしたが・・・)
まずはあらすじ。
主人公の平太は中堅ゼネコンである一松組に入社し、建築現場での作業に従事してきた。ところが、ある日、平太は営業を担当する業務課への異動を命じられる。ところが、業務課とは談合を担当する部署なのであった。
平太は当初は戸惑い拒否反応を見せるものの、談合の現場を目の当たりにし、談合もやむをえないものなのではないかと考えを変えて行く。そのような平太に対し平太の彼女、萌は反発し、平太ではない男性に心を奪われることになる。
談合とはなんなのか、平太が悩みを深めるうち、地下鉄工事の計画が持ち上がる。地下鉄工事を得意とする一松組は独自技術を武器にコストダウンを成功させ、落札候補の一番手に躍り出る。ところが、そこにも談合の影が。
といったところでしょうか。
私は約650頁のこの本を6時間ぶっつづけで読んで、1日で読み切りました。登場人物の個性が際立っていてわかりやすいですし、展開もスピーディー。談合という難しい題材を扱った小説ではありますが、それが原因で読みづらくなっているということは一切ありません。
もう少し内容に踏み込みましょう。
物語は、地下鉄工事の入札を巡って、平太(一松組)と談合の大物調整役や大手ゼネコンとの熾烈な駆け引きが行われ、最終的にある結末を迎えることになります。その結末はハッピーエンドとして描かれているのですが、作者である池井戸氏は「これ、本当にハッピーエンドだと思いますか?」と問いかけているように思えます。それは、この本で何度も繰り返される談合が必要悪なのではないかという問いかけとつながってくるのですが、、、
と、読んでいないと何のことだかわかりませんね。気になった方はぜひ読んでみてください。
談合は必要悪なのではないか。法律家の立場としては答えはおのずと明らかですが、考えさせられるテーマです。