ネクタイと多摩(八王子)

ネクタイと多摩(八王子)

ご存知の方も多いと思いますが、かつて「桑都」と言われた八王子は日本におけるネクタイの一大生産地です。しかし、八王子のネクタイの生産量は年々減少傾向にあります(東京ネクタイ協同組合のデータを参照)。

海外との競合、クールビズの時代等、環境は厳しいですが、今治タオルのように厳しい環境のなかでも、ブランディングに成功し、再飛躍を遂げた例もあります。八王子のネクタイもブランディングに成功すればいいですね。私は八王子生産だとわかれば、それを買います。そういった方は少なからずいるような気がするのですが、いかがでしょうか。

私が協力できるのはせいぜい八王子産のネクタイを買う事くらいしかないのですが、八王子ネクタイの伝統の灯は守りたいと思っています。

池井戸潤『鉄の骨』

池井戸潤 『鉄の骨』



友人に池井戸氏の本がおもしろいと紹介を受けて読んでみました(紹介されたのは別の作品(『空飛ぶタイヤ』
)でしたが・・・)

まずはあらすじ。

主人公の平太は中堅ゼネコンである一松組に入社し、建築現場での作業に従事してきた。ところが、ある日、平太は営業を担当する業務課への異動を命じられる。ところが、業務課とは談合を担当する部署なのであった。

平太は当初は戸惑い拒否反応を見せるものの、談合の現場を目の当たりにし、談合もやむをえないものなのではないかと考えを変えて行く。そのような平太に対し平太の彼女、萌は反発し、平太ではない男性に心を奪われることになる。

談合とはなんなのか、平太が悩みを深めるうち、地下鉄工事の計画が持ち上がる。地下鉄工事を得意とする一松組は独自技術を武器にコストダウンを成功させ、落札候補の一番手に躍り出る。ところが、そこにも談合の影が。

といったところでしょうか。

私は約650頁のこの本を6時間ぶっつづけで読んで、1日で読み切りました。登場人物の個性が際立っていてわかりやすいですし、展開もスピーディー。談合という難しい題材を扱った小説ではありますが、それが原因で読みづらくなっているということは一切ありません。

もう少し内容に踏み込みましょう。

物語は、地下鉄工事の入札を巡って、平太(一松組)と談合の大物調整役や大手ゼネコンとの熾烈な駆け引きが行われ、最終的にある結末を迎えることになります。その結末はハッピーエンドとして描かれているのですが、作者である池井戸氏は「これ、本当にハッピーエンドだと思いますか?」と問いかけているように思えます。それは、この本で何度も繰り返される談合が必要悪なのではないかという問いかけとつながってくるのですが、、、

と、読んでいないと何のことだかわかりませんね。気になった方はぜひ読んでみてください。

談合は必要悪なのではないか。法律家の立場としては答えはおのずと明らかですが、考えさせられるテーマです。

千葉地方裁判所

千葉地方裁判所。

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画像は最近立て替えた10階建ての新館です。

日弁連会長選挙

日弁連の会長選挙で、山岸憲司弁護士が当選確実のようです(メディアは「当選」と報道していますが、、正式な当選者は5月9日に決定するようです)。

今回の日弁連の会長選挙は3回の投票が行われました。これは、会長の当選要件について定める日本弁護士連合会会則61条2項が「前項に規定する投票による最多得票者が当選者となるには、弁護士会の総数の三分の一を超える弁護士会において、それぞれ最多票を得ていなければならない」と定めているところ、2回の投票では、これを満たす候補者がいなかったためです。

ちなみに、2回目の投票は「再投票」によるもので、3回目の投票は「再選挙」によるものです。ややこしいですね・・・(同規則61条の2及び61条の3参照)

最高裁平成24年4月27日判決

最高裁平成24年4月27日判決(平成23年(受)第903号 地位確認等請求事件)

精神的不調に基づく欠勤と懲戒処分の関係が問題となった事案です。

1 本件は,上告人に従業員として雇用された被上告人が,上告人から,就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤があったとの理由で諭旨退職の懲戒処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,上告人に対し,本件処分は無効であるとして,雇用契約上の地位を有することの確認及び賃金等の支払を求める事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係等によれば,被上告人は,被害妄想など何らかの精神的な不調により,実際には事実として存在しないにもかかわらず,約3年間にわたり加害者集団からその依頼を受けた専門業者や協力者らによる盗撮や盗聴等を通じて日常生活を子細に監視され,これらにより蓄積された情報を共有する加害者集団から職場の同僚らを通じて自己に関する情報のほのめかし等の嫌がらせを受けているとの認識を有しており,そのために,同僚らの嫌がらせにより自らの業務に支障が生じており自己に関する情報が外部に漏えいされる危険もあると考え,上告人に上記の被害に係る事実の調査を依頼したものの納得できる結果が得られず,上告人に休職を認めるよう求めたものの認められず出勤を促すなどされたことから,自分自身が上記の被害に係る問題が解決されたと判断できない限り出勤しない旨をあらかじめ上告人に伝えた上で,有給休暇を全て取得した後,約40日間にわたり欠勤を続けたものである。
 このような精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては,精神的な不調が解消されない限り引き続き出勤しないことが予想されるところであるから,使用者である上告人としては,その欠勤の原因や経緯が上記のとおりである以上,精神科医による健康診断を実施するなどした上で(記録によれば,上告人の就業規則には,必要と認めるときに従業員に対し臨時に健康診断を行うことができる旨の定めがあることがうかがわれる。),その診断結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべきであり,このような対応を採ることなく,被上告人の出勤しない理由が存在しない事実に基づくものであることから直ちにその欠勤を正当な理由なく無断でされたものとして諭旨退職の懲戒処分の措置を執ることは,精神的な不調を抱える労働者に対する使用者の対応としては適切なものとはいい難い。
 そうすると,以上のような事情の下においては,被上告人の上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たらないものと解さざるを得ず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた本件処分は,就業規則所定の懲戒事由を欠き,無効であるというべきである。


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